ニューラルネットによる情報処理


目的と概要

人工的な神経回路網(ニューラルネット)を用いて、学習や認識・記憶など、さまざまな知的情報処理を実現することを目的とします。高い情報処理能力の実現が主目的ですから、必ずしも人間の脳と同じ方式である必要はありません。しかし、脳から学ぶ点はたくさんありますし、逆に非常に優れた原理を見い出せば、脳の情報処理原理を知る手がかりになると期待されます。

最初に研究したのは、連想記憶、すなわち複数のパターンをニューラルネットに分散的に記憶させ、キーとなる情報を与えることにより元のパターンを再生する、というもので、これは人間の記憶方式に近いと考えられています。 研究の結果提案した非単調神経回路網は、その高い記憶能力が広く知られており、論文の被引用件数は400を超えています。

その後、時系列パターン(時間的に変化するパターン)を扱う軌道アトラクタネットワークと呼ばれるモデルを中心に研究し、大きな成果を挙げました。 連想記憶に関する一連の研究成果の詳細は,下記の研究項目1-4を参照下さい. また,以下の解説に,比較的わかりやすくまとめてあります.

最近は、選択的不感化ニューラルネットという、深層ニューラルネットとは特性が大きく異なるモデルとその応用に関する研究を主に行っています(研究項目5)。

研究項目

  1. 連想記憶のダイナミクスの解析と改良
  2. 非単調神経回路網による連想記憶
  3. 軌道アトラクタによる時系列パターンの学習・記憶・認識
  4. 選択的不感化による文脈依存的情報処理
  5. 選択的不感化ニューラルネット(SDNN)とその応用


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