分散表現に基づく推論・思考に関する研究

目的と概要

現在の人工知能にはある大きな限界があることが古くから指摘されていますが、今も解決の目処は立っていません(コンピュータ将棋、「ワトソン」「東ロボ」などの古典的人工知能技術は、本質的な解決にはなっていませんし、近年注目を集めている「ディープラーニング」などの機械学習技術だけでも解決困難だと考えられます)。 この限界のため、現状では「鉄椀アトム」はおろか、「盲導犬ロボット」も実現はほぼ不可能です。 実世界では、全く同じ状況というのはほとんどなく、常に未経験の状況で行動しなくてはならないからです。

一方、人間は(そして犬も)、過去の経験(学習例)から類推することによって、多くの場合適切な判断ができます。 また、人間の思考は、人工知能のように論理的・直列的なものだけではありません(例えば将棋の名人は、多くの場合盤面を見た瞬間に最善手が頭に浮かび、「読み」はそれを確認するだけだと言います)し、犬はそもそも記号を使用しません。

このような脳の推論や思考のカギだと考えられるのが、記号ではなくパターンによる「分散表現」であり、その分散表現だけで複雑な情報処理を可能にするのが我々が考案した「選択的不感化」という原理です。 これに基づいて、人間のような知的で柔軟な情報処理システムの実現を目指しています(ニューラルネットを用いて実現するので、テーマ1とも密接に関係していますし、脳が同じ原理に基づいていることは間接的にシステムの将来性を示すので、テーマ3テーマ4とも関連があります)。

最近は、応用的研究にもかなり力を入れています。

研究項目

1に関する詳細は,参考文献を参照下さい.
  1. 軌道アトラクタモデルによるパターンベース推論

  2. 選択的不感化ニューラルネットによる関数近似とその応用


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